暑さが戻ってきましたね〜。
気温もですが、湿度の高さがこたえます。
写真は、奈良・唐招提寺の蓮の花。
美しさは、一瞬、暑さという苦(大げさ?)を
忘れさせてくれますね。
でも、この写真を撮った日の奈良の暑さも
尋常じゃなかったなー。
☆
最近、興味深い本を読みました。
『お釈迦さまの脳科学
−−−−釈迦の教えを先端脳科学者はどう解くか?』
(苫米地英人/著 小学館新書)
熱心な信者でない限り、
多くの人が
仏教をもっとも身近に感じるのは
「お葬式」だったりします。
「仏壇」や「お位牌」なども、そうかもしれません。
この本の著者は、
そうした一般的な仏教イメージのもろもろを
「実は釈迦の教えとは関係ない」と言い切ります。
そのうえで、
「日本には本当の仏教は伝わっていない」とも。
本来の仏教は、絶対的な存在=神を否定し、
平等な社会を目指すものであるというのです。
戦争や差別がない世界をつくっていくうえで、
本来の仏教は必ず役に立つ宗教であり、
思想であり、哲学である、と。
また、その内容を知ることで
脳の使い方も変えられる、とも。
一人ひとりが脳の使い方を変えることで、
戦争や差別がない平和な世界を
構築できるというのです。
では、その本当の仏教って
どういうものでしょうか?
この本は、科学の視点を用いて、
そのことについて解説しています。
そうした「神=絶対的存在の不在」、
さらに釈迦の重要な教えである
「悟り」の内容は、
最新の物理学や数学が導き出した、
この世界の定義と同じことを示している、
といいます。
また、悟りという状態も、
脳科学で説明できるそうですヨ。
(どうやら、すべての「思い込み」が
外れた状態のようです。)
ただし、理屈を知るだけでは、
悟りを理解したことにはならないそう。
真に「悟りを得る」ためには、
その悟りの状態を「体感する」ことが
不可欠なのだそうです。
釈迦の悟りは最後は言語を超えた体感なので、
いくら言語を使った抽象思考をしても足りない、
と本書には書かれています。
で、体感する方法は、ずばり「瞑想」とのこと。
釈迦自身も瞑想という思考実験によって、
この世の成り立ちの真実を知る=悟りを得た
ということです。
瞑想は、すべての思い込みを外す方法、
ということですナ。
本来の仏教では、
悟りを得るための瞑想の方法も伝えられている、とのこと
(ヴィッパサナー瞑想などのことですな)。
本書の著者は、このことから、
仏教は「脳の使い方の方法論」だとも言っています。
ちなみに、その瞑想をよりやりやすくするために
編み出された方法が、
ヨーガのアーサナやプラナヤーマです。
ヨーガの目的自体が、サマーディ、
すなわち「悟り」ですものね。
ヨーガのサマーディについて勉強した時も
言われたことですが、
この本にも
「悟ることは、それほど難しくはありません」
とあります。
「悟った次に大事なのは、
自分がどういう機能を社会や宇宙に対して
果たすかを決めることです」とも。
自分中心から、宇宙中心へと
脳の使い方をシフトしていく、と。
大事なのは、「悟り」ではなく、
悟ったあと「どう生きるか」にある
ということですね。
うーむ。
悟りとはどういう状態か、
をわかりやすく知りたい方、
本来の仏教の姿に興味にある方にはオススメで、
さらに、大きな視野で生き方について考える、
ひとつのヒントにもなりそうな本でした。
残暑、ご自愛くださいませー☆
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